登山ルートの難易度「格付け」安全に一役

登山ルートの難しさを統一基準で格付けする「山のグレーディング」が広がっている。これまでに計6県が採用、格付けされたルートは500カ所を超えた。11日は新たな祝日「山の日」。登山の裾野の広がりにつれて遭難も増えており、関係者は「安全意識の浸透を図りたい」としている。

グレーディングはコースの長さや標高差を示す体力度(1~10の10段階)と、道の険しさや必要な装備・技術を示す技術的難易度(A~Eの5段階)で表す。体力度なら3以下は「日帰り可能」、8以上は「2泊以上が必要」。技術的難易度はAなら「登山道はおおむね整備済み」、Dなら「転落・滑落の危険箇所が多い」といった具合だ。

同じ山でも登山ルートごとに大きく異なる。2年前に長野県が始め、山梨、静岡、新潟、岐阜、群馬も参加、計6県が採用した。これまでに500を超すルートが格付けされている。

グレーディングの仕組みを考案した長野県は、専門家や県内の山岳団体と協力、ルートの選別や実際の評価をした。県山岳高原観光課の井原聖さんは「皆が参考にできる統一基準があれば安全対策に役立つ」と話す。

警察庁によると、2015年の山岳遭難者は3043人。うち死者・行方不明者は335人で、いずれも統計の残る1961年以降で過去最悪を更新した。携帯電話の普及で救助を呼びやすくなったことも背景にあるが、同庁は「近年は山岳会などに入っていない登山者が増え、安全対策をきちんと学ぶ機会が少ない例も多い」(担当者)と指摘する。

「山の日」で登山が注目を集めれば、愛好家の裾野がさらに広がることが予想される。人気の山がある各県は「体力と技術に合った山選びを心がけて」と呼びかけている。

記事:2016年8月10日 日本経済新聞
画像:エディトゥールから

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