長野県の星空観光、秋冬も 阿智村や白馬村

長野県内で星空をテーマにした観光振興が活発だ。星空観察ツアーの先駆け地域である阿智村では冬季営業が始まり、通年営業となる。他地域も観察ツアーを始めている。山が多い長野県は標高が高く、星がきれいに見える場所が多い。夜間イベントは宿泊客の増加にもつながるため地域への経済波及効果も大きい。県内観光の新たな強みとなりそうだ。

 2012年から夏場のスキー場で星空観察ツアーを催す観光会社の阿智昼神観光局(阿智村)は、今年から冬季営業(12月初旬~3月末)を始める。

 冬季は安全のために春夏秋に利用する標高1400メートルの場所まで上がるゴンドラを使わず、標高800メートルの山麓にある施設や駐車場を改装して星を眺める場所とする。イルミネーションも設置し、星が見えにくい日も楽しめるようにする。

 主な観光資源が昼神温泉である同地域には年配客が多かったが、「日本一の星空」をうたい文句に誘客を進めた結果、最近は女性や若者の参加者が急増、15年は開始当初の10倍にあたる6万人強が訪れた。16年も前年比7割増の10万人の来客を見込む。

 「『今度は冬の星座を見たい』というお客さんの声が多かった」(同観光局)ため、冬季の営業を始める。冬季は来場者3万人をめざす。

 スキー場運営の白馬観光開発(白馬村)は秋の星空観察ツアーの回数を増やす。7月から8月にかけて八方尾根スキー場で開催した6回のツアーはいずれも満員で約600人が参加した。「定員の2倍近い申し込みがあった回もあった」(同社)という。

 人気を受けオリオン座流星群が最も見える10月21日にも流星群観察会を開く。午後6時半にスキー場のゴンドラに乗り、標高1400メートルにあるうさぎ平で夕食をとったり、星に関する講習を受けたりしながら朝まで過ごす。定員は60人で参加費は5500円(大人)。

 天の川など星空を眺める日帰りツアーは当初は8回開催の予定だったが、11回に増やす。担当者は「天候も安定しやすく空気が澄む秋は星空を楽しむのに1年で最も適した季節」と話す。

 立科町観光連盟は今年から白樺高原国際スキー場(立科町)で「ゴンドラナイトツアー」を試行している。ゴンドラに乗り、標高約1800メートルの御泉水自然園で星を眺める。8月に実施した1回目のイベントには60人弱が参加した。10月1日にも開く。

 結果を踏まえ来年には開催回数を増やして地域の宿泊施設の利用者を対象にした定番イベントに育てる。回数などは未定だが天候が安定している秋季や冬季の開催を検討している。

 連盟に参加する蓼科白樺高原観光協会の遠藤悦弘事務局長は「夜のイベントができれば宿泊者の増加にもつながる」と期待する。

 旅行予約サイトを運営する楽天が発表した星空観賞をテーマにした宿泊プランのランキングで、上位3位までを上伊那・下伊那など長野県の3地域が独占した。同社によると星空観賞が目的の旅行は全国で前年比6割増えているという。

記事:2016年9月16日 日本経済新聞
画像:美メンズから

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