海外富裕層に別荘地販売、まずは軽井沢

 西武ホールディングス(HD)は別荘地を海外の富裕層に販売する事業に乗り出す。中堅不動産のリスト(横浜市)と提携、同社が持つ高級不動産販売網を通じ、まず長野県軽井沢町の物件を販売する。軌道に乗れば房総半島など他の地域でも検討する。三井不動産なども長期滞在型の施設運営に力を入れており、外国人富裕層に照準を合わせたリゾート開発の動きが拡大しそうだ。

 西武HDが連携するリストは「サザビーズ」ブランドで世界60カ国以上に販売網を持つ米不動産会社、リアロジー社と提携しており、世界の富裕層への販路を持つ。

 第1弾として販売するのは傘下のプリンスホテルが保有する「軽井沢千ケ滝別荘地」。690万平方メートルの土地に総区画数5200と国内有数の規模だ。12月中に100区画の情報をリストが運営するサイトに掲載する。

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 1区画当たり約1000~1300平方メートル程度で、販売価格は土地と建物込みで7000万~8000万円。駅や周辺施設までの送迎、物件の管理や滞在中の言葉の支援といった周辺サービスも手掛ける。近くには西武グループのスキー場やゴルフ場、ショッピングセンターがある。富裕層が別荘に長期間滞在してくれれば、エリア全体の消費の活性化につながる。

 西武HDの軽井沢プリンスホテルの外国人顧客比率は13%程度。東京都内に1泊した後に軽井沢を訪れる訪日客が増えている。こうした顧客にも別荘を紹介し、来日頻度を高めたい考えだ。軽井沢での販売が軌道に乗れば、房総半島などにある別荘地を外国人向けに販売することも検討する。

 西武HD以外にも訪日外国人を対象にした滞在型リゾート施設の開発が相次ぐ。三井不動産は三重県志摩市にアマンリゾーツが手掛けるリゾート施設「アマネム」を誘致。宿泊料金は1泊10万円超にのぼる。同社は今後、沖縄県などに同様のリゾート施設を開発・誘致する考えだ。

 森トラスト系の投資会社は北海道苫小牧市でリゾート施設の開発に取り組む。敷地面積が1057ヘクタールと東京ディズニーランド20個分に相当。2020年の部分開業を目指し、総客室数が330のホテルのほか、40棟分のコテージも建設する。

 観光庁の調査などから試算したところ、15年の訪日リピーター数は約1160万人と、11年の2.9倍に拡大した。一方、15年の訪日客の平均宿泊日数は10.2泊と、11年の13.6泊から短くなった。アジアを中心に滞在日数の短い旅行客が増えており、長期滞在の訪日客開拓が課題となっている。

記事・画像:2016年11月12日 日本経済新聞

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