東急、忘れ物をスマホにお知らせ

東京急行電鉄は渋谷駅で、電車や駅構内で発見した遺失物を持ち主に確実に早く返却するための実証実験を始めた。ITベンチャー、MAMORIO(マモリオ、東京・千代田)が開発した小型の電子タグを活用する。タグの付いた貴重品が渋谷駅の忘れ物受付に届くと、持ち主のスマートフォン(スマホ)に通知する。成果を見て、サービスの継続・拡大を検討する。

 専用の電子タグは長さ3.5センチ、重さ3グラムほどで、持ち主が前もって財布やカギ、カバンなどなくしては困る貴重品にタグを付ける。実売価格は3500円前後で、マモリオのサイトなどで販売している。電池は最大約1年間持続するという。

 東急は渋谷駅の忘れ物受付に専用のアンテナを設置した。電子タグの付いた遺失物が電車や駅で見つかり、受付に届けばアンテナが電波を感知する。受付に届いたという情報は即座にマモリオのクラウドを通じて、持ち主のスマホに通知する。

lost3_161119

 東急東横線の遺失物は多くが渋谷駅に集約されるという。その特性を生かし、乗客の遺失物を早期に受け渡せるようにする。カギなどは記名がないため持ち主が分からない場合があるが、電子ダグで持ち主を特定できる利点もある。

 マモリオは遺失物の追跡サービスに独自に取り組んでいる。利用者のスマホは電波を感知するアンテナを兼ねている。利用者が増えれば、渋谷駅の忘れ物受付に届けられなくても、利用者のスマホを通じて、忘れ物の場所がわかる可能性が高まる。東急と組むことで利用者の裾野を広げ、遺失物を見付ける機能の強化につなげる。

 実証実験は2017年5月中旬まで続ける。検知精度などの改良を続けたうえ、成果を見てアンテナの渋谷駅への継続設置を検討する。
lost2_161119
 東急によると、電車や駅での遺失物の届け出件数は同社だけで年に約40万件弱にのぼるが、このうち持ち主に返却されるのは40%程度にとどまるという。

記事:2016年11月18日 日本経済新聞
画像:ASCIIから

関連記事

ページ上部へ戻る