悪質な旅の手配代行減らす試み

旅行会社の依頼で宿やバス、ガイドなどの手配を代行する「ランドオペレーター」と呼ばれるビジネスへの規制を観光庁が検討し始めた。外国人客が高額な土産物店を連れ回されるなどの問題が起こっていることが背景にある。

 日本の旅を安全で安心できるものにするため、悪質な業者を排除できる仕組みが必要だ。ただし、過度な規制で個性的な旅行サービスの芽を摘むなどの弊害を生まないことにも注意したい。

 消費者と直接、契約を結ぶ旅行会社は旅行業法に基づく登録が必要だが、ランドオペレーターは自由に開業できる。得意な分野や地域を持ち、ユニークな旅のメニューを企画提案するなど、旅行会社にとって不可欠なパートナーとなっている業者も少なくない。

 一方で団体バスを国の定める下限より安い運賃で手配するなど問題のある業者もいる。質のばらつきがある一方で行政は業者の名簿も把握しておらず、以前から対策の必要性が指摘されてきた。

 近年急増した外国人旅行者の場合、日本にいるランドオペレーターが出発地の旅行会社から手配代行を請け負うことが多い。日本の旅行会社が介在しないため、これまでは問題があっても指導などをする手立てがなかった。

 健全な旅行市場の育成や外国人観光客の満足度向上のためにも、何らかの形で行政がこのビジネスに関与できる仕組みが必要だ。

 観光庁の検討会では、ランドオペレーターも旅行業の資格を取得すべきだとの意見も出ている。しかし入り口のハードルを高くし過ぎると、個性的な業者がビジネスを続けにくくなり、日本の旅の魅力が減る。現在の業者が闇で仕事を続けてしまう可能性もある。

 旅行業とは別の「旅行手配代行業」などとして、簡単な登録制とするのが適当ではないか。問題を起こした業者には資格取り消しなどの罰則を科せばいい。行政が業者の全容を把握すれば、大地震などの時に外国人の安否を確認することにも役立つだろう。

記事:2016年11月28日 日本経済新聞
画像:shopsalaamから

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