静岡県、外国人宿泊客10月28%減

静岡県内の外国人宿泊者数が減っている。静岡空港に乗り入れる中国系航空会社が減便・運休した影響で、2016年1~10月は前年同期に比べ6%減り、8月からは2ケタ減が続く。県内の観光関連施設は商品構成の見直しや情報発信の強化で販売・集客をてこ入れする。中国人客の「爆買い」の一巡や、2度目以降の訪日需要をにらんで戦略を修正している。

 観光庁によると、県内の16年10月(速報)の外国人延べ宿泊者数は11万490人で前年同月比28%の大幅減となった。全国も2%減だが、1~10月では10%増を維持しており、静岡の不振が目立ち始めている。静岡空港は中国からの訪日観光客の急増で15年春から国際線の就航が増加。一時は15路線まで増えたが、発着枠を広げた羽田や中部国際空港へシフトし現在は6路線となった。16年通年の国際線搭乗者数は15年に比べ28%減り、落ち込み幅は約11万人に達した。国際線の客数減の影響を直接受ける静岡空港の免税店の16年4~12月の売上高は7億円。日本を初めて訪れた訪日客の爆買いの反動もあり、前年同期比47%減となった。

 空港を運営する富士山静岡空港(牧之原市)は商品構成の見直しを進める。人気が一巡した日本メーカーの炊飯器に代わり美顔器を拡充。化粧品は売れ筋の資生堂に加えてファンケルを投入した。10万円以下の中価格帯の時計も充実させ、客単価の底上げを狙う。遠鉄百貨店(浜松市)は、訪日客向けのクーポンや化粧品の取り扱いブランド、通訳サービスを英語と中国語で紹介したパンフレットを活用。市内の4ホテルに配っていたが、今夏までに9カ所に増やす。16年3~11月の客数は2%増と健闘しており、主に個人客の獲得に力を入れる。

観光施設はSNS(交流サイト)での情報発信を強化する。ちびまる子ちゃんランド(静岡市)はフェイスブックの更新頻度を高めた。施設内のイベントに加えて、まる子の清水案内や、静岡鉄道と連携したラッピング電車を3月末まで延長運転するなど継続して話題を提供。9割を占めていた中国人客の減少を台湾が補い、16年の入場者数で前年並みの約3万5000人を確保した勢いを維持する。多言語対応や礼拝室の設置などに取り組む掛川花鳥園(掛川市)も、今後SNSの活用を検討。年間を通して鳥とのふれあいや花を楽しめる施設の独自性を伝え、増えている韓国人客など幅広い客層に訴える。

 15年12月に開業した三島スカイウォーク(三島市)は開業1年での入園者約120万人のうち、外国人が1割を占めた。アジア各国の有名ブロガーらの取材依頼に積極的に対応して情報発信につなげるほか、17年2月には初めてタイの旅行商談会に参加する計画だ。

記事:2017年1月27日 日本経済新聞
画像:富士山静岡空港.comから

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