訪日香港人は和歌山県白浜町で320億円消費

観光庁より発表される訪日外国人消費動向調査。これにより、訪日外国人観光客の消費額や訪問率などから、どの地域にどれくらいのインバウンド消費が落ちているのかをある程度推定することができます。しかしながら、これらの調査では県単位レベルでしか把握できず、市町村レベルや観光スポットレベルで、どれくらいのインバウンド消費があるのかを算出するのは難しいものです。

そこで役に立つのが、株式会社ナイトレイが提供するinbound insight(インバウンドインサイト)です。前回、inbound insight(インバウンドインサイト)の基本的概要を説明しましたが、今回は、株式会社ナイトレイにご協力いただき、実際に機能の一つである「訪日消費データ」からわかる地方のインバウンドデータについて見ていきます。

訪日消費データとは:市区町村別に国籍ごとのインバウンド消費が把握可能
inbound insight(インバウンドインサイト)の提供する機能「訪日消費データ」では、市区町村別に国籍ごとの消費した金額を表示することができます。

    区分できるのは以下の通り。

  • 一般層・富裕層ごとの宿泊金額データランキング(市区町村別)
  • カテゴリー別推定消費金額(市区町村別)
  • 過去3年間の月別消費金額の推移(市区町村別)
  • 外国人観光客1人あたりの消費金額(市区町村別)
  • と、かなり詳細に分析することが出来ます。

それでは、訪日香港人観光客のインバウンド消費について、inbound insight(インバウンドインサイト)の「訪日消費データ」をつかって分析してみましょう。

訪日香港人観光客には和歌山県白浜町が人気
inbound insight(インバウンドインサイト)では、訪日外国人観光客の国籍ごとに市区町村別に推定インバウンド消費額を参照することが出来ます。さらに、消費額は一般層と富裕層でわけて見ることができるため、「富裕層には特にこの地域が人気」といった分析が可能です。

画面左側の地図では、推定インバウンド消費額が大きいものほど濃いピンクになっており、訪日香港人観光客にどの地域が人気化が一目瞭然となっています。また画面右側では、全国の各市区町村が推定インバウンド消費額順にランキング形式で並びます。

2016年の推定インバウンド消費額ランキングを見てみましょう。

    すると、一般層では

  • 和歌山県白浜町
  • 岐阜県高山市
  • 神奈川県箱根町
    そして、富裕層では

  • 和歌山県白浜町
  • 神奈川県箱根町
  • 東京都渋谷区

といった面々となっています。一般層・富裕層共通して1位に君臨しているのは以外にも和歌山県白浜町となっています。ところが、過去3年(2013年〜2015年)のデータを参照しても、和歌山県白浜町は一般層・富裕層どちらにおいてもトップ3に君臨しています。これは何故なのでしょうか。

和歌山県は10年以上前からユーザーインの視点で精力的な訪日プロモーションをしていた
現在の訪日香港人観光客からの和歌山県人気の秘密は、およそ10年以上前に遡ります。和歌山県は、国内旅行者の減少から、観光地として厳しい状況に立たされます。そこで目をつけたのが、そのころ全く注目されていなかった訪日外国人観光客です。そして、彼ら訪日外国人観光客に対して、和歌山県の魅力を伝えるためにトライアンドエラーを重ねた末に、「マーケットイン」「ユーザーイン」の考えにたどり着きます。「マーケットイン」「ユーザーイン」とは、『ユーザー(この場合では訪日外国人観光客)が、何を求めているのか?』を中心に考えるマーケティング手法です。従来の観光地では「うちには温泉がある!」「風光明媚の地だ!」「地酒が名産です!」といったように「その土地にあるもの」をベースにPRしがち(これを「プロダクトアウト」といいます)でしたが、和歌山県は考え方を方向転換し、主に香港や台湾で「何が求められているのか?」を徹底的に分析し、継続的なプロモーションを行いました。

訪日香港人観光客による和歌山県白浜町でのインバウンド消費は320億円!!
和歌山県白浜町は、継続的なプロモーションの甲斐あって、訪日香港人観光客から絶大な人気を誇りますが、その消費額はいかほどでしょうか。

inbound insight(インバウンドインサイト)で、ランキング表示部から和歌山県白浜町をクリックすると、その推定インバウンド消費の詳細を見ることができます。その消費額、富裕層・一般層あわせると320億円!訪日香港人観光客全体のインバウンド消費額は2,947億円ですので、1つの町だけで10%以上のシェアを誇ることになります。

爆買いの舞台となる東京都新宿区で推定インバウンド消費額111億円ですので、その約3倍弱の消費が落ちていることを考えれば、如何に和歌山県白浜町が根強い人気を得ているのかがわかります。また、この機能では富裕層・一般層別での全体インバウンド消費額のほか、1人あたりの平均消費額、

宿泊費・飲食費・買物代といった費目別での全体インバウンド消費および1人あたりの平均消費額(富裕層・一般層別)や旅行消費額ベースでの富裕層・一般層の客層比率、

さらには、月別でのインバウンド消費額の推移を参照することができます。

月別でのインバウンド消費額の推移を見てみると、前述の和歌山県の「マーケットイン」「ユーザーイン」での精力的なプロモーションの成果が、2015年ごろからあらわれ始め、2016年に一気に爆発したことなどが、データから見ることができます。

数値から「なぜ?」を発見し、自社のインバウンドビジネスに活かす
今回は、データをスタートとして「なぜ?」を深掘りしていく形でinbound insight(インバウンドインサイト)を使ってみました。数値として何かしらの特徴があるということは、その数値には何かしらの背景があるということです。その「なぜ?」を深掘りしていくことで、成功例からパターンを導き出し、自社のインバウンドビジネスに活かしていくことができるのではないでしょうか。今回ご紹介した訪日消費データを参照できる「訪日消費データプラン」は、今月(2017年2月)から最新データが更新され、2016年1月〜12月分の推測結果が公開されたばかりです。2000万人の大台を超え、大きな盛り上がりを見せた2016年のインバウンド市場を早速分析してみてはいかがでしょうか。

記事・画像:訪日ラボから
サムネイル画像:greenlaneseoから

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