農林水産業と連携した観光地域づくり事例集

日本の豊かな自然、島国ならではの景観、独特な文化は訪日外国人にとっては大きな魅力となりますが、観光によって地方創生・地域活性化を行い、観光地域づくりを実践している地域が全国各地に存在するのをご存知でしょうか?その中でも農林水産業と観光の連携について全国の事例をいくつかご紹介します。

1.秋田県:地域と連携したグリーンツーリズム
和歌山県田辺市の農業法人株式会社秋津野では、小学校の廃校舎を利用したグリーン・ツーリズムの拠点として秋津野ガルテンを活用しています。これは本来取り壊される予定だった小学校の旧校舎を、地域づくり塾「秋津野塾」を主体とした検討委員会が何度も会議を重ね、旧校舎をグリーン・ツーリズムの拠点として利用する事業計画を策定したことによるもの。秋津野ガルテンには、地域の野菜を使用して地元の主婦が料理を提供する農家レストラン「みかん畑」、宿泊施設、菓子体験工房「バレンシア畑」、農作業体験、市民農園など農業を活かした様々な魅力を提供しています。また田辺市は熊野古道の入り口でもあり、秋津野ガルテンを拠点として熊野古道散策も楽しめます。

2.広島県:6次産業ネットワークによる地域づくり

広島県世羅町では、農業の6次産業化を目指す生産者が集まり、平成11年に世羅高原6次産業ネットワークが設立されました。18年には拠点施設として夢高原市場が誕生し、生産者による対面販売、郷土料理の提供、農業体験等を行っています。ユニークなのが、このネットワークには自分の商品を売りたいだけの人は参加出来ず、地域全体を元気にしたいという意識を共有していることなどが条件となります。

3.山口県:海峡を活かした広域観光の推進

山口県下関市と福岡県北九州市では、JR西日本の大型キャンペーンによって観光地として定着した「関門海峡」の認知度をさらに高め、より一層の集客を目指すため、関門海峡の歴史、唐戸と門司港にある観光施設、ふぐなどのグルメを全面に押し出した誘客促進事業、歩行者用海底トンネル、海上交通の利便性を活かした周遊促進事業等を展開しています。特に平成24年の大河ドラマ「平清盛」の放映、「巌流島決闘400年」を好機と捉え、全国的なPRなども粉っています。

4.千葉県:地域資源「房州びわ」を中心とした地域活性化

千葉県南房総市では、道の駅とみうら枇杷(びわ)倶楽部が主体となり、特産品の「房州びわ」の出荷規格外品を利用した加工事業、商品開発、体験型観光農業などによる地域全体の資源を活用した集客交流事業を展開しています。これは今までほとんど廃棄されていた出荷規格外の「房州びわ」を地元農家から買い取り、びわソフトクリーム、びわジャム、びわゼリー、びわカレー等、50を超えるオリジナル商品を開発し、枇杷倶楽部のブランドを確立しています。また食事や味覚狩り、花摘み体験などを一括して受注する着地型の集客交流の仕組みを開発。年間を通じた日帰り団体バスツアー等の誘致を成功させ、飛躍的な地域経済への波及効果拡大につながっています。

5.新潟県:ブドウ畑を核にした観光地域づくり
新潟県新潟市では、株式会社にいがたワインビレッジが、新潟氏の角田山一帯を一大ワイン産地とすることで地域内外から集客を図り、周辺ワイナリーや農林漁業者との連携によって地域活性化を図るために設立されました。にいがたワインビレッジの出資企業である欧州ぶどう栽培研究所は「カーブドッチ」というブランド名でワイナリー事業を展開、年間7万本のワイン生産を行っているほか、直営レストラン、ビール製造、食品加工、温浴宿泊施設などの事業を展開。グループで周辺地域一帯を「ワイン村」と位置づけて取り組みを行っており、グループの来場者数は年間30万人を超えています。

6.佐賀県:日本酒の酒蔵を活用した観光振興策

佐賀県鹿島市では「チャンピオン・サケ」受賞を機に協議会を設立。以降月1回程度協議会を開催し、イベント開催の打ち合わせのほか、取り組みを体験するPRイベント「鹿島酒造ツーリズム」をPRしており、新酒が出回る春にこのPRイベントを開催しています。イベントでは6つの酒蔵が蔵開きを行うほか、市内で別々に開催していた「花と酒まつり」「発酵まつり」等の地域活性化イベントと協力・連携し、イベントを同日に開催しています。

記事・画像:訪日ラボから

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