卒業旅行のジミ化 友達多く1回の予算減らす

博報堂ブランドデザイン若者研究所とLINEの共同研究プロジェクト「若者インサイトラボ」は、卒業旅行の実態調査(2017年)を行った。今回の一番の発見は、ちまたでいわれるアベノミクス効果とは逆に、若者たちの卒業旅行がどんどん「ジミ旅化」していることだ。

まず、20~50代(大学・専門・短大・大学院卒)に聞いた卒業旅行経験を見てみよう。20代が67%と最も高く、それより上になると30代61%、40代60%、50代51%と年々低下する。卒業旅行に行く割合は若い世代ほど高いことが分かる。卒業旅行に複数回行った人の割合も、20代42%、30代25%、40代19%、50代15%と若い世代ほど高い。

ところが、1回の旅行にかける予算は逆の傾向が出た。今年の卒業生が6万9400円だったのに対し、20代9万300円、30代10万3500円、40代11万2000円、50代11万9700円となった。こちらは年齢が下がるほど減少した。つまり、若い世代ほど卒業旅行の頻度は上がっているが、1回の旅行にかける金額は少なくなっている。「ジミ旅化」の進展がはっきりと浮かび上がった。

背景にあるのは交流サイト(SNS)の存在だ。今の若者は幼い頃からSNSで人間関係が広がり、上の世代が若かった頃より所属するコミュニティー数が多い。結果として旅行に行く回数も増えるが、1回当たりの予算は減らさざるを得ないのだ。事実、彼らの旅行先は「東京ディズニーランド」がトップ。次いで「ユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)」と国内が主流だ。海外でも近場の「アジア」が中心で、40、50代で多かった欧米は影を潜めている。就職前のまとまった休暇を利用し仲間と遠出することが多かった卒業旅行。今は、SNSによってつながった、たくさんの友達との絆を深める機会へと変わってきているようだ。

記事・画像:2017年4月13日 日本経済新聞から
サムネイル画像:白黒イラスト素材から

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