街並み再現 異国情緒満喫

ゴールデンウイーク(GW)は海外旅行を楽しみたいが、航空券もホテル代も割高で諦めた――。こんな人におすすめなのが、日本にいながら海外の伝統的な街並みを感じられる場所だ。最近は交流サイト(SNS)の普及で写真を撮るスポットとしても人気を集めており、西洋建築やアジアの独特の風情を味わえる施設が増えている。

 「わあ、すてき」。東京の品川駅近くの住宅街を抜けると突如、中世ヨーロッパの街並みが現れる。鳥のさえずりが聞こえる落ち着いた雰囲気に「急にここだけドイツだわ」と歓声が上がる。コンサートホールやレストランを備える「高輪プリンセスガルテン」(東京・港)では、施設の利用だけでなく街並みを眺めながら歩いたり写真を撮ったりする姿が目立つ。

ドイツの石畳

現地取り寄せ
 ドイツのローテンブルクを再現した街並みはオーナーで指揮者の宮城敬雄さんが1991年に造った。通りの石畳や建物の屋根瓦は現地から取り寄せた。以前は全施設を宮城さんが経営していたが、2年前にレストランと結婚式場の部分を業務委託した。このエリアはCMやドラマの撮影に使われることもある。最近ではSNS用の写真を撮るために訪れる若者が多い。ドイツのローテンブルクを再現した街並みはオーナーで指揮者の宮城敬雄さんが1991年に造った。通りの石畳や建物の屋根瓦は現地から取り寄せた。以前は全施設を宮城さんが経営していたが、2年前にレストランと結婚式場の部分を業務委託した。このエリアはCMやドラマの撮影に使われることもある。最近ではSNS用の写真を撮るために訪れる若者が多い。コンサートホールは演奏会場として有料で貸し出している。東京都武蔵野市からピアノとバイオリンのコンサートのために訪れた40代の主婦は「よく演奏を聴きに行くが、ヨーロッパの雰囲気があるコンサートホールは初めて」と目を細めた。

レストラン「フェメゾン」も人気だ。ランチは2500円と3500円、5000円(税別)の3種のコース料理がある。前菜「越前港よりとれたてのホタルイカのマリネ」や肉料理「宮崎産桜姫鶏もも肉とキャベツの軽い煮込み」などシェフのこだわりをそろえる。神奈川県藤沢市の主婦、植松紀子さん(47)は「駅から遠くないし、前菜やスープもある本格フレンチでおいしかった」と満足そうに話した。結婚式場としても引き合いが強い。邸宅のような施設を使ったハウスウエディング風の結婚式ができる。ドイツ風の通りを貸し切りにして写真を撮影するカップルも多い。

ここは香港?

訪日客にも人気

 アジアのディープな世界観を体験できるのはゲオ(名古屋市)が運営するゲームセンター「ウェアハウス川崎店」(川崎市)。「電脳九龍城砦」の異名を持つ。「九龍城砦」は香港にあったスラム街。現地の人には「貧しかったが古き良き時代」と思い入れも強い。1階の入り口に入ると薄暗い通路に広東語の会話や食器を洗う生活音が響く。2階には広東語で書かれたレストランや会社の看板のほか、香港の市場で見られる鶏をつるした屋台の模型がある。細部にも注意を払い、自動販売機は古く汚れて見えるようにあえて塗装を施した。廃棄予定だった生活用品を譲り受けて小物として使うほどのこだわりようだ。5階建ての1~4階部分がゲームセンターで、レトロなゲーム機やメダルゲームなどを楽しめる。常連客が多い一方で、スーツケースを引きながら歩く外国人の姿も。副店長の永石昌也さん(44)は「訪日客がここ1~2年ですごく増えた」と驚き顔で話す。海外サイトで紹介されたことで旅行先の一つとなっているという。米国出身のコリン・クックさん(30)は「古い香港の風情と現代的なゲーム機が対照的で引き込まれる」と話す。

 京都府の「ドゥリムトン村」(京都府亀岡市)は英国の田舎町の風景が広がる。11棟の建物が並び、その奥に5棟の宿泊用の建物がある。夕方から夜にかけては建物内から明かりが漏れて幻想的に。牧歌的な風情で静寂と非日常を体験できる。宿泊はすでにクリスマスの時期まで予約が入っているという。

記事・画像:2017年4月28日 日本経済新聞

関連記事

ページ上部へ戻る