民泊担う人材育成 エアビー、パソナと提携

一般住宅に旅行者を有料で泊める民泊の仲介世界最大手、米エアビーアンドビーは日本で民泊に関わる人材の育成に乗り出す。人材サービスのパソナと提携し、室内清掃や集客用のホームページ作成といった関連業務を代行する人材を増やす。旅行者を自宅に迎える貸し手を増やす講習会も実施する。海外に比べて日本は民泊に関連する人材育成や法整備が遅れている。民泊を支える人材を増やして、産業の裾野を広げる。

エアビーとパソナはこのほど、民泊普及に向けた業務提携を結んだ。パソナが来年から、清掃など民泊の運営に欠かせない作業の代行支援を始める。パソナが一般の会社員や主婦向けに民泊の清掃やホームページ作成の代行業務の研修を実施する。民泊に使える部屋を持たなくても副業などで民泊に関わる仕事を持てるようにする。

 地方都市などでは民泊向けの部屋を持つ高齢者も多いが、清掃や接客といった付帯業務をこなせない例もある。業務を代行する人材を増やすことで、高齢者なども民泊を始められる環境を整える。民泊の貸し手に関心のある人を対象にした講習会も始める。6月から東京や大阪など全国7カ所で開催し、民泊に関連する法律などを説明して理解を深めて、民泊を始めてもらいたい考え。年間を通じて全国数千人の参加を見込む。

民泊はホテルや旅館と異なり、接客応対や清掃など専門技能を持たない一般の会社員などが貸し手として、旅行者を自宅などに迎え入れる。日本でも海外からの旅行者が民泊を多く利用しており、語学が堪能でないために接客などでトラブルが起きる懸念がある。こうした民泊を支える人材の接客レベルなどがある程度向上しなければ、民泊市場の長期的な成長は難しい。

エアビーは国内で5万件近くの掲載物件を抱える。エアビーを利用した訪日外国人客は2016年にのべ約370万人と、15年比で3倍近くに増えた。

日本政府観光局によると16年の訪日客数は約2400万人で、単純計算すれば最大で訪日客の2割弱がサービスを利用したことになる。政府は民泊を条件付きで全国で解禁する住宅宿泊事業法案(民泊新法案)の今国会での成立をめざす。エアビーは法整備を見据えて、民泊関連の人材の層を厚くして、普及に弾みをつけたい考えだ。

記事・画像:2017年5月26日日本経済新聞

関連記事

ページ上部へ戻る