運転手をスカウト。ドラEVERが逆求人サイト

運転手専門の求人サイトを運営するドラEVER(さいたま市)は、企業が求職者を直接「スカウト」できる新システムを10月から稼働させる。求職者が手取り収入や勤務地などの条件を事前登録しておくと、企業が直接メッセージを送って採用活動する仕組み。雇用条件などのミスマッチを未然に防ぐと共に、運送業界の深刻な人手不足の解消につなげる。

 同社の求人サイトを刷新して「スカウトページ」を設ける。求職者は現在の職業や所有免許などの情報を入力して会員登録すれば、同ページを無料で利用できる。運転手の経験年数や希望する月給、企業へのアピールのほか、任意で勤務地や業種(トラックやタクシー、バスなど)の希望を追加登録し、求人側の企業に知らせる仕組みだ。

 求人側の企業はドラEVERにサイト利用料を支払い、特設ページで求職者情報を閲覧できる。募集する条件に近い求職者が見つかれば、直接メッセージを送ってスカウトできる。こうしたマッチング機能がある運送業専門の求人サイトは全国でも例がないという。

 スカウトページに求人情報を掲載する企業は全国の約250社で、事業所数は480カ所を超える。求職者が職場環境や企業の雰囲気をイメージしやすいよう、ドラEVERが作成した経営者インタビューなどの企業PR動画も掲載する。自社ホームページを持たない零細事業者でも十分な情報を提供できるのが特徴だ。

 運送業界は勤務形態や手当制度などが複雑で、就職前は具体的な収入を把握しにくい傾向がある。スカウトページでは勤務時間や雇用形態など条件を細かく設定できるうえ、手取り金額の希望を示せるため、就職後の生活をイメージしやすくなり、雇用主とのトラブルを防ぐ効果も期待できる。

 運転手求人サイトは元トラック運転手の岡野照彦社長が立ち上げた運送会社で2015年4月に始めた。求人側の企業から利用料を取る仕組みだが、情報量の多さが話題となり、登録企業やページの閲覧数が急増。17年1月にドラEVERを設立後も、7月の閲覧数が約32万件に上っている。

 運転手求人サイトが注目される背景には運送業界の深刻な人手不足がある。厚生労働省によると、自動車運転手の16年度の有効求人倍率は2.42倍と職業別の全体平均(1.25倍)を大きく上回った。新規人材の獲得に加え、雇用のミスマッチによる離職防止が業界の大きな課題となっている。

記事:2017年9月13日 日本経済新聞
画像:ドラ EVER

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