プチリッチに食べ・飲み放題

ワンランク上の食べ放題・飲み放題サービスを提供する店が人気を集めている。従来の定番といえば、ビールやスイーツだったが、最近では日本酒、コーヒー、刺し身といった単価の高い商品を提供する店が目立ってきた。消費者の節約傾向が強まるなか、「手ごろな価格で良いものを」というニーズに対応しているのだ。

 「いろんな種類を好きなだけ少しずつ試せるのが楽しい」。9月上旬の土曜日、東京都豊島区内のビル4階にある居酒屋。千葉県在住の関真実さん(25)は、日本酒が入ったおちょこを片手に興奮気味に話す。この店が、酒類の小売りを手掛けるリカー・イノベーション(東京・台東)が運営する「クランドサケマーケット池袋店」だ。

 同店は客が3000円(税別)を支払うと、営業終了時間の午後11時まで、約100種類の日本酒が時間無制限で飲み放題になる。冷蔵ケースに入った日本酒の瓶から、好きな銘柄を選び、自分でおちょこに注ぐことができる。食べ物の持ち込みも自由だ。

 リカー・イノベーションは2015年に都内に1号店を開いた。若い世代の客を中心に会員制交流サイト(SNS)で話題を集め、現時点で6店舗に増えた。同社では「当たり外れを気にせずに飲み比べができるのが人気の理由」(担当者)とみている。

 日本酒の銘柄の珍しさも同店の魅力の一つだ。「獺祭(だっさい)」や「久保田」といった知名度の高い銘柄を置かず、小規模な酒蔵の流通量の少ない銘柄だけを提供する。取り扱う日本酒の約2割は、同店と地方の酒蔵が共同開発した。都内に住む栗原淳さん(38)は友人とともに初来店した。「ここに来なければ一生飲まなかったかもしれない銘柄ばかりだ」と品ぞろえに満足げだ。

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 西新宿駅の近くで、会社員を中心に人気を集めているのは、コーヒー店「coffee mafia(コーヒーマフィア)」(東京・新宿)。客は月2000円を支払って会員になると、200円のコーヒーが来店ごとに1杯無料になる。出社前や休憩時に気軽に寄ってコーヒーを飲めるとあって、16年10月の開業から会員数は100人を超えた。

 同店を運営しているのは、情報サイトを手がけるfavy(ファビー、東京・新宿)。日替わりコーヒーは「あっさり」と「しっかり」の2種類から選べる。月10回飲むと元が取れ、コンビニエンスストアでコーヒーを買うよりも出費を安く抑えられる。

 業態を少し変えて、午後6時からはビールやハイボールといったアルコール飲料の提供も始めた。月4000円支払うと、アルコール飲料も1日1杯無料になる。同社は「飲み代を安く抑えられる分、食事に費用をかけてくれる」(担当者)とみている。今後も同様のコンセプトの業態を広げていく考えだ。

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 馬喰町駅近くの「おさかな本舗たいこ茶屋」(東京・中央)は昼になると、客の行列が絶えず、全120席が満席になる。客の目当ては、刺し身の食べ放題だ。午前11時半~午後2時までの昼食時に1300円(税込み)を支払うと、50分の制限時間でマグロやサーモン、エビといった日替わりの刺し身や海鮮類などを皿やご飯に好きなだけ載せることができる。

 毎日午前10時から整理券を配り、昼食時の客数は200人前後に上る。ツイッターやインスタグラムなどのSNSを中心に来店客の投稿が拡散されて話題を呼ぶ。この2~3年で女性客が増えて約7割を占め、旅行客の利用が多いという。

記事・画像:2017年9月28日 日本経済新聞

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