花魁の美と切なさ感じるツアー

花魁(おいらん)のありし日を求めて――。江戸最大の遊郭だった吉原遊郭が開場して今年で400年。はかなくもきらびやかな花魁に、今もなお魅せられる人が後を絶たない。ゆかりの地、東京・吉原周辺を巡るツアーや、花魁になりきって写真撮影できる企画が人気で、参加者は花魁に思いをはせている。

昼間に散策

ガイドの佐藤淳子さん(53)が企画した「吉原の今昔散策」の一幕。昼間に吉原神社や、かつて遊郭があった区域など花魁ゆかりの地を訪ね歩くツアーだ。参加料は大人が2500円で月に3~4回開催しており、連日、予約で満員という。

 一行は見返り柳から、遊郭への唯一の道だったくの字型の「五十間道」を見つつ、吉原の入り口「吉原大門」跡へ。遊女が逃げないようにつくられた「お歯黒どぶ」という堀があった場所を歩き、区域の中心を抜けて吉原神社まで歩いた。「最盛期には3000人の遊女がこの区域にいた」など、佐藤さんは道々で多くの逸話を話す。

吉原周辺には現在、土産物屋や書店ができ、ツアーをはじめ散策など新たな人の流れが生まれている。昨年6月にオープンした土産物屋「新吉原」では、吉原や花魁をモチーフに、現代風の意匠を凝らした手拭いや扇子などが販売されており、20~30代の若い女性が足を向ける。

「歴史ある地なのに、触れてはいけない場所のようになっているのがさびしかった」。地元育ちのデザイナーで店長の岡野弥生さんは、そうした思いから吉原の近くに店を構えた。

 昨年9月には、遊郭や遊女にまつわる書籍のみを扱う「遊郭専門書店」の「カストリ書房」が吉原公園のほど近くに開店。新書・古本で400タイトルを販売するほか、資料室と喫茶スペースが併設されており、戦前に出版された書籍や絶版となっている貴重な資料・書籍、数百点以上が閲覧できる。吉原にある専門店という強みを生かし、著者のトークショーや交流会などを開いている。

なりきり体験

着飾って撮影
豪華絢爛(けんらん)な花魁に憧れ、自身が変身したいと思う女性も増えている。

写真スタジオ「エスペラント」(京都市)では、高位の花魁しか結えなかった「伊達兵庫まげ」や着物、白塗りの化粧など本格的に花魁になりきって撮影ができる「花魁体験」が若い女性を中心に人気だ。

姿格好だけでなく、金屏風にボタンや藤の花が部屋のいたるところに飾られた遊郭の部屋を思わせるブースを使用し、できあがった写真はギラギラとまばゆい。撮影はメーク代込みで3枚1万4580円から。データは別途オプションで受け取れる。同店のほか2店舗を運営するココログループ全体で年1万人以上が体験するという。

記事・画像:2017年9月29日 日本経済新聞

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