長野の自治体、ふるさと納税で政策伝える

長野県内の自治体が特色ある返礼品や寄付金の使途明確化で政策の宣伝を進めている。伊那市は重点政策の再生可能エネルギーや先端技術に関連した返礼品を加え、諏訪市と白馬村は観光や教育など使途を明示して寄付を募る。ふるさと納税の返礼品として家電製品などが自粛を余儀なくされる中で、特色ある返礼品で寄付を集めると同時に地域のイメージ醸成につなげる。

2016年度に全国2位の約72億円の寄付額を集めた伊那市は、国の要請を受け6月に家電製品の返礼品を自粛した。17年度はストーブに使うまきや、10月に初めて開くドローン(小型無人機)イベントの優先観覧券などを返礼品に加えた。今後は「おしゃれなまち」としてのイメージをつくるために、市内の洋品店からの返礼品の募集を検討している。

 同市は再生可能エネルギー、人工知能(AI)やあらゆるモノがネットにつながる「IoT」の活用による新産業の創出に取り組んでいる。市の重点政策に関連する返礼品を加えて市のイメージを訴えるとともに、家電製品自粛による寄付額の減少を抑える狙いがある。

 9月末で家電製品や腕時計を返礼品から除外した諏訪市は、具体的な使途を示して寄付を募るクラウドファンディング(CF)を始めた。10月から12月27日までふるさと納税を仲介するサイトで、観光路線として運行を始めた市内循環バスに市の公認キャラクター「諏訪姫」をラッピングする費用として100万円を募る。

 同市は「資金を募ると同時に、使い道を明らかにして諏訪姫と観光の宣伝もできる」と狙いを語る。

 白馬村は同じ仲介サイトで9月から18年3月末まで、長野県立白馬高校国際観光科の生徒の海外留学の費用400万円をCFで募っている。返礼品は生徒からの留学リポートだ。同村は「16年4月に新設した白馬高校国際観光科は全国から生徒を募集しており、中学生や保護者にアピールできる」という。

 ふるさと納税は家電製品などの高額な返礼品を自粛するよう総務省から求められ、家電製品などで多額の寄付金を集めていた自治体は対応に苦慮している。地域らしさを出した返礼品を用意しても以前の寄付額に達しない可能性もある。

記事・画像:2017年10月13日 日本経済新聞

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