「傷ついたりんご」ふるさと納税でピンチをチャンスに

ことしの不作のピンチをチャンスに変えようとしている自治体もあります。

長野県上田市では去年から特産のリンゴをふるさと納税の返礼品にして、人気を集めています。しかし、初夏に降ったひょうで、リンゴの実に傷が付いてしまいました。ほとんどが売り物にならず、リンゴ農家は苦境に立たされています。リンゴ農家の男性は「ショックで泣いているリンゴ農家もいます。誰かに背中を押してもらわないと動けない状態です」と話していました。

そこで上田市が考えたのが、傷ついたリンゴを、そのまま返礼品として出品することでした。上田市や地元の農協では、返礼品にしていいのかどうか何度も検討した結果、リンゴ農家を直接、支援するためあえて「訳あり品」で、寄付を募ったのです。

こうした自治体の取り組みを後押ししようという動きも出ています。

インターネットで「ふるさと納税」の自治体の返礼品の紹介などを行っている専用サイト「ふるさとチョイス」の運営会社は、先月、都内で開いたふるさと納税のセミナーで天候などで被害を受けた自治体をふるさと納税で支援しようと呼びかけました。セミナーに参加した女性は「自治体だけではなく、農家も支援できるのはとてもよいと感じました。自分でできる支援をしてみたいです」と話していました。

困りごとを助ける制度に

ふるさと納税をめぐっては、返礼品の自治体間競争が過熱し、総務省が、高額な品物などについて見直しを要請する事態となっています。ふるさと納税の制度に詳しい神戸大学大学院の保田隆明准教授は「被災地支援のような形で、ふるさと納税は非常に広く活用されていますが、そんなに大きな被害ではなくても、目を向けてみると、一つ一つの農家が困っている状況などはあります。その中で、ふるさと納税の制度は困りごとを助ける、困りごとを解決するための1つの制度であるという捉え方は、今後どんどん広がっていくべきだと思います」と指摘しています。

「訳ありリンゴ」のように訳があるなら応援したいという人も多いと思います。ふるさと納税の本来の意義は、地域を応援したい、元気にしたいということのはず。それだけに寄付する人と寄付を受ける側のコミュニケーションが大切なのかもしれません。

記事・画像:NHK news web

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