拡大するインフラ観光。都が日帰りツアー

東京都はダムや橋といったインフラ施設を観光資源として活用する「インフラツーリズム」の普及に向けたプロジェクトを本格化する。近畿日本ツーリストと組み、都市水害に備えて環状7号線(環7)の地下に設けた巨大トンネルなどを巡るモニターツアーを実施する。都内のインフラ情報を集約・発信する仕組みも拡充する。

モニターツアーは日帰りで2種類を用意。一つは都の視察船「新東京丸」に乗船して東京港を眺めた後、神田川流域が大雨に見舞われた際に雨水を導いて水害を防ぐ環7地下調節池を見学するコース。もう一つは都の虹の下水道館・有明水再生センターなどを巡る。

 27日から12月上旬にかけて各コース2回ずつ計4回、総勢70人程度が参加する見通し。旅行代は1人当たり1500円(昼食付き)で、感想や意見を聞くアンケートに協力してもらう。これまでも港湾や河川・橋、ダムなどを見学する機会はあったが、テーマや演出に工夫を凝らし、なじみのなかった人も気軽に楽しめるようにする。インフラ観光企画は今後も続ける方向で検討する。

 都内のインフラは港湾局や上下水道局など担当部局がそれぞれ管理しており、観光資源として一体で発信・活用する例は限られていた。一方でインフラ観光のニーズは学びや体験を求める人を中心に年々高まっており、国土交通省でも普及策に本腰を入れている。

 都は担当部局の垣根を越えてインフラの果たす役割の説明や公開イベントの予定など様々な情報を集約した「東京都インフラポータルサイト」を開設した。住民生活を支えるインフラへの理解を深めてもらうのに加え、観光客誘致で有効活用する。

 国内外に住む外国人にも興味を持ってもらうため、サイトの英語版を近く設ける予定。都では東京五輪・パラリンピックを開催する2020年までに外国人観光客を16年の2倍近い2500万人に増やす目標を掲げる。外国人からの関心も高い体験型観光の選択肢を増やし、目の肥えたリピーター客を引き付けるきっかけにしたい考えだ。

記事・画像:2017年11月22日 日本経済新聞

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