ふるさと納税、返礼品見直しで「減少」6割

ふるさと納税の昨年度の受け入れ額上位100自治体に2017年度見通しを聞いたところ、6割の自治体で減少を見込んでいることが日本経済新聞の調査で分かった。過度な競争を抑える総務省の通知で、返礼品を見直したことが影響する。全体では増加するとみられるが、上位100自治体が全体の5割を集めていたのが、通知の効果で分散しそうだ。

ふるさと納税は返礼品が人気となり、2016年度は全国で15年度比1.7倍の2800億円が集まった。当初は牛肉などの特産品が中心だったが、家電や商品券などに拡大。返礼割合も競うようになり、総務省は4月に家電などを返礼対象から除外するよう求めるといった自粛要請を出していた。

 今回、受け入れ額が多かった100の県市町村を対象に10~11月に調査を実施。82自治体から回答を得て、上期実績と通期見通しを回答した75自治体を集計した。

 昨年度に比べて受け入れ額が減少すると予想する自治体は64%。9自治体は50%以上減るとみており、全体の45%が2桁減を予想する。昨年度全国2位の72億円を集めた長野県伊那市は、5月末で家電の返礼を取りやめたことで10分の1に縮小する見込み。9月に家具を返礼品から外した山形県天童市も3割減るとみている。

一方で今年度上期の実績は7割の自治体が増加したと回答し、総額では1.5倍近く増えた。返礼品が見直される前に、有利な条件で返礼を受けようとする人の駆け込みがあったためだ。10月から寄付額に対する返礼割合を下げた長崎県佐世保市はそれまでに前年同期の2倍を獲得。同じく10月に割合を見直した群馬県草津町も3倍に伸ばした。

 上期は増えても見直し後の反動減が影響する。昨年度に全国トップだった宮崎県都城市は今年度は当初4割減を予想していた。6月に返礼割合を下げ、駆け込みで上期は前年同期比2割増となった。足元は反動減が続いて「先が読めない」(同市)として、当初の4割減を据え置く。

総務省の通知は返礼品競争の過熱について「制度全体に対する国民の信頼を損なう」とし、趣旨に反する返礼品の自粛を求めたもの。趣旨に反する返礼品として商品券など「金銭類似性が高いもの」など4つを挙げ、返礼割合については具体的に3割以下と明記した。併せて寄付金の使途を明示するよう求めるなど、自治体が返礼品頼みにならないよう様々な取り組みを展開してきた。

 こうした見直しが上位自治体には影響しそうだが、全体では「今年度は2割程度増えそう」(ふるさと納税サイトのトラストバンク)という。地方財政に詳しい一橋大の佐藤主光教授は「納税額が減るのは返礼品目的の寄付が多かったことの裏返し」とし、総務省通知が「過当競争の沈静化に一定の効果はあった」と評価している。

 ただ、見直し時期にはバラツキがある。4月と6月に見直した自治体がそれぞれ12%あるなど、4~9月で47%が対応した。ただ、予定を含め10月が20%を占め、11~12月が7%、年明け以降に見直す予定も8%あった。見直し時期が早い自治体ほど影響が大きく、通知に対する不満の声もある。

記事:2017年11月24日 日本経済新聞
画像:S-cubism

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