地元への恩恵、課題なお多く。商店街客来ず/スマホ決済に後れ

集計では、九州・沖縄の港が上位を占めたが、課題も山積している。上陸後にバスで特定の免税店などを回り、地元の商店街までは足を延ばさないケースが目立ち、「経済波及効果には偏りがある」との指摘がある。通信環境の整備やスマートフォン(スマホ)決済への対応も急務だ。

 クルーズ船で九州を訪れる9割以上は中国人で、上海からが多い。船の空室を埋めるため旅行代金の低価格化も進んでおり、業界関係者は「2000元(3万4000円)を下回ることもある」と話す。

 訪日客の案内を手配するのは、ランドオペレーター(ランオペ)と呼ばれる事業者だ。収益は立ち寄り先の免税店の売り上げに応じて店側から受け取る手数料に大きく依存している。

 その結果、特定の免税店ばかりに誘導する実態はなかなか改善していない。福岡県警によると、2017年に県内に寄港したクルーズ船から入国後に船に戻らない失踪者は46人に上った。

 ランキングでは長崎港が2位に。県によると、昨年も中国からの寄港が増えたが、「爆買い」のピークから時間がたち、上陸後に免税店や家電量販店をバスで回る従来型は飽きられ、不満の声が増えているという。

 このため県では市町と連携して長崎港に降りた観光客をバスで島原半島などに連れて行き、雲仙地獄を巡るツアーなど、これまでと違ったルート開発に力を入れている。

 地元にいかにお金を落としてもらうか――。店側の受け入れ体制の整備も課題になっている。中国では「支付宝(アリペイ)」などのスマホ決済が普及しており、訪日時の利用ニーズも高いとみられるが、対応できる店は少ない。

記事:2018年1月30日 日本経済新聞

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