伝統がともす幻想的世界「ろうそくの幽玄」

冬の楽しみはウインタースポーツ、こたつでミカンなど人それぞれ。でも日々の疲れを癒やしたいなら魅力的なのが「お籠もり宿」という響きです。至れり尽くせりの宿に籠もって美食と温泉、そして雪と氷がつくるこの時期だけの絶景を心ゆくまで堪能できる場所を紹介します。


福島県会津若松市で2月9~10日に開催する「会津絵ろうそくまつり」は、会津の伝統工芸品である美しい会津絵ろうそくの魅力を多くの人に知ってもらうために始まった。雪景色を美しく照らし出す絵ろうそくの数は約1万本に上る。

会津若松市の会津東山温泉には、江戸時代中期から存在していたとされる国登録有形文化財の宿「向瀧(むかいたき)」があります。宿としての創業は明治6年(1873年)。回遊式日本庭園を囲むように立つ、間取りや工法が異なる全24室の客室は明治から昭和初期までに建てられたもので非日常感たっぷり。春は桜、夏はホタル、冬は「雪見ろうそく」をめでる情緒あふれる宿として知られます。
千鳥破風の玄関を入ると、瞬時にタイムスリップしたような感覚。歴史を感じさせる古い調度が並び、アメ色の廊下には数寄屋造りの特徴である木の美しさを見ることができます。

 2001年から始まった雪見ろうそくは、毎年12月下旬から2月末まで、中庭に約100本のろうそくがともされます。点灯作業は日暮れとともに行われ、雪で足元が悪い中、急な傾斜のある庭園でスタッフが一つ一つ火をともしていきます。あたりが次第に闇に包まれると、雪を照らす明かりがくっきりと浮かび上がり、周りの部屋の明かりと相まって幻想的な世界が広がります。

記事・画像:日経スタイル

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