スマホかざして空間に書き込み

ソフト開発ベンチャーのスタイリッシュアーツ(長岡市)は、スマートフォン(スマホ)をかざした風景などに簡単にコメントを書き残したり、写真を貼ったりできる技術を開発した。3月にアプリの提供を始める。従来の拡張現実(AR)対応のアプリでは、ユーザーが「空間」に情報を書き込むのは難しかった。観光案内、企業広告などでの利用拡大を目指す。

 アプリの名称は「Sonar(ソナー)」。スマホのカメラに映った画面内の建物や看板などを選んで、コメントを投稿する。他の人がスマホをかざし、同じ建物を映すとコメントが表示され、アプリのユーザーが情報を共有できる。写真やタッチペンなどで手書きした文字を加えたり、URLを書き込んで関連サイトにリンクを張ったりすることもできる。

 旅行先で観光施設の感想を書き込み、同じ場所を訪れた別の人が参考にするといった使い方を想定している。看板に商品写真を貼るなど企業広告の利用も見込む。誹謗(ひぼう)中傷など不適切なコメントを、ユーザーが誰でも消せる機能も付けた。

 同社は2017年秋からアンドロイドのスマホ向けアプリ「Comet earth(コメットアース)」を提供しており、ソナーはコメットアースの機能を大幅に強化した。コメットアースはコメント投稿機能を備えていたが、閲覧すると別の画面が開きコメント一覧の文字情報を表示する仕組み。ソナーは写真など多様な情報の埋め込みを可能にした。

 アプリのダウンロードは無料だが、ユーザーがコメントの削除を一定期間防ぐなどの機能を追加すると課金される仕組みも検討する。

 AR機能を使ったスマホ向けゲーム「ポケモンGO」など従来のアプリは、ゲームの運営企業が全地球測位システム(GPS)の位置情報を使い、ユーザーが特定の地域でスマホをかざすと、キャラクターなどが表示されるようにプログラミングしている。ユーザーがコメントやキャラクター、写真などを追加することはできなかった。

 スタイリッシュアーツはGPS情報に加え、ピンポイントで建物などの情報を瞬時に認識、登録する機能を開発した。コメントに自動的にGPSの位置情報を付けることで、コメントを探索して表示させる。

 スタイリッシュアーツは、独自の空間認識技術を事業化するため15年に設立したベンチャー企業。片岡忠久社長は「スマホアプリやウエアラブル端末を開発する企業にプログラミングを供与し、普及させたい」と話している。アプリの機能強化などの開発費は、長岡市のものづくり未来支援補助金を活用した。

記事:2018年2月2日 日本経済新聞
画像:PRTIMES

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