スポーツを通じた地域活性「フォトロゲ」

地図に記されたチェックポイントを時間内に多く巡り、獲得した得点を競う「フォトロゲイニング(フォトロゲ)」の参加者が増えている。オーストラリア発祥のアウトドアスポーツ「ロゲイニング」を日本でアレンジした。チェックポイントの通過証明のため撮影する写真をSNS(交流サイト)へ投稿し友人・知人に楽しさを伝えられる。拡散効果が競技人気を後押ししている。

 チェックポイントの通過証明に写真を撮影するのでフォトロゲイニングと呼ばれる。目的地を探し出す冒険心と、指定の場所で指定のポーズで写真撮影を義務付ける遊び心を同時にくすぐるスポーツだ。多くのチェックポイントを通過できれば得点を稼げる半面、制限時間内にゴールできない場合は大幅な減点となる。

5月31日に山梨県富士吉田市で開かれた大会の地図配布はスタート20分前。各チームはわずかな時間で戦略に知恵を絞る。作戦会議で「どのルートを採用すれば効率的かつ安全に高得点を稼げるか」を的確に判断できるか否かが、チームの成績を左右する。

 富士吉田など4大会は「フォトロゲイニングNIPPON」と銘打ち、シリーズで獲得した総合得点の合計でその年の王者が決まる。参加者が多いためリアルタイムで得点を集計するスマートフォン用アプリを採用。終了1時間前まで各チームの得点と順位を時々刻々公表している。途中まで上位にいたチームが戦略ミスから時間内にゴールできず、順位を落とすケースも珍しくないという。

 国内初の大会が開かれたのは2005年。当時の競技人口は100人ほどだったが、15年に年間1万人が見込まれるほどに成長した。日本フォトロゲイニング協会の伊藤奈緒代表は「得点を競う人、野山や街を巡ることを目的にする人など、それぞれの楽しみ方ができることも特徴」と強調する。

撮影した写真は「まるでアルバムのよう。仲間と振り返る際、楽しく便利」(横島さん)という。

 富士山へ登拝し修行する人々をもてなす「御師(おし)住宅」、1965年(昭和40年)ごろに繁華街として栄えたレトロな面影を残す「新世界通り」……。富士吉田大会を主催した、ふじよしだ観光振興サービスの担当者は「市外から訪れた人に知ってもらいたい地元の観光資源を、チェックポイントの中にさりげなく盛り込んだ」と明かす。

 フォトロゲ用集計アプリは中日本高速道路のグループ企業が開発。チェックポイントの設定が簡単なため、「フォトロゲに限らず地域それぞれが独自の観光誘客に使ってもらうこともできる」(関連事業本部)。

 写真・動画撮影が旅行先を選ぶ動機づけとなっている。日経産業地域研究所の調査でも49.5%の人が「SNSに観光スポットの写真を投稿したい」と回答した。フォトロゲは観光誘客の新たな手段としても可能性を秘めている。

記事:2015年10月14日 日本経済新聞
画像;http://www.yomiuri.co.jp/adv/photorogaining/

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