移住したい県 長野が1位に返り咲き

地方移住を支援するNPO法人ふるさと回帰支援センター(東京・千代田)は、「移住希望地域ランキング」を発表した。2017年の1位は長野県、2位は山梨県、3位は静岡県だった。

1位と2位は前年と入れ替わり、長野は過去7年間で5回目の首位になった。長野、山梨両県が5年連続で1位と2位を分け合っている。3位の静岡、4位の広島県は前年と同じ。5位の新潟県は、前年より順位を3つ上げた。福島県は順位を11上げて8位に、富山県は5つ上げて10位になった。

■上位3県は安定的な人気
17年の1年間に、東京・千代田の「ふるさと暮らし情報センター・東京」を移住セミナーへの参加や相談などで訪れた8498人にアンケート形式で尋ねた。支援センターが今年2月末に全国の自治体の移住担当者を対象に開いた実務者研修セミナーでランキングを発表した。

支援センターによると、長野、山梨、静岡が上位に入ったのは「首都圏から近く、移住先としての認知度も高いことから、安定的な人気を保っている」ため。4位の広島県は「セミナー参加者を移住相談に確実につなげている」、5位の新潟県は「相談者の6割を占める20~30歳代が興味を持ちやすいセミナーを企画したことが効果を上げた」と支援センターはみている。

長野への移住を希望する世帯主の7割が40歳代以下で、県は就労をテーマにしたフェアや相談会に力を入れる。その一方で、農業や林業への従事の希望も根強い。人気が高いのは、松本・安曇野、諏訪、佐久、長野の4地域。県の担当者は「移住して良かったと言われるように、受け入れ先や移住者との意見交換を進め、移住後の相談体制を充実させたい」と今後の方針を説明した。

2位の山梨は「10年前は退職後の移住が多かった。それが最近は30~40歳代が目立つ」(地域創生・人口対策課)。都会に近く、それまでに築いたつながりを維持しつつ、新たな生活を始められるのがポイントだ。最近は子育て世代へのアピールに重点を置き、東京でイベントを開いたり子育て雑誌に記事を掲載したりしている。

■Uターン希望の1位は新潟県
移住の類型では、都会出身者が地方に移住する「Iターン」が情報センターへの来訪者の6割を占める。その希望地の1~3位は全体のランキングと同じだったが、4位には岡山県、5位に和歌山県が入った。

故郷へ戻る「Uターン」は全体の3割。20歳代以下では4割が該当するなど若年層で比率が高く、希望地の1位は新潟県、2位は広島県だった。希望者の割合は低いものの、祖父母のいる地方に移住する「孫ターン」では、1位の長野県に続き、大分県が2位になったのが目立つ。

■30代以下が初めて過半数に
電話やメールによる相談も含めた東京の情報センターへの来訪・問い合わせ件数は、17年の1年間で3万3165件。前年より6739件(25.5%)も増えた。3年前の2.6倍超で、近年の移住への関心の高まりをうかがわせる。移住セミナーの開催件数が485件と前年より16%増えたほか、来場者が500人を超すイベントを開く県があるなど、相談会やセミナーの大型化が寄与したといえる。

利用者を年代別にみると、30歳代が28.9%で最も多く、40歳代が21.9%、20歳代以下が21.4%と続く。30歳代以下が初めて過半を占めた。40歳代以下で全体の7割強となり、50歳代以上が7割だった08年と年代が完全に逆転した。

移住先選択の条件(複数回答)として「就労の場があること」を挙げた人が60.8%と、やはり最多だった前年の44.7%から大幅に増えた。2位の「自然環境が良いこと」は33.4%で、前年より7.1ポイント低下した。

移住を希望する地域類型としては「地方都市(市街地)」が64.1%で、前年比14.2ポイント上昇した。一方で「農村」「山村」「漁村」は、前年より比率を下げた。

記事・画像:NIKKEI STYLE

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