スキー場、インスタ映えで狙う「夏でも黒字」

スキー場再生を手掛ける東証マザーズ上場企業、日本スキー場開発が夏場のゲレンデへの投資を拡大する。今夏以降、長野県のスキー場の麓に大型遊具を導入したり、別のスキー場の山頂に北アルプスの山々を望むテラスを設けたりする。従来のテコ入れ策が実を結び、夏場の損益改善に自信を深めているためだ。「スキー場の稼ぎ時は冬だけ」という業界の常識を覆そうとしている。

「雲海見られました」「感動して泣きそう」。日本スキー場が経営する北志賀高原の施設、竜王マウンテンパーク(長野県山ノ内町)。写真共有サイトのインスタグラムには、地平線まで続く雲海と、それを眺める人々を写した写真の投稿が相次ぐ。標高1770メートルのロープウエー山頂駅には景色を眺めやすいよう、崖にせり出す形でテラスが設けられている。ここから撮った写真を投稿するのが、いま若者の間でひそかなブームなのだ。

 同施設の以前の運営会社はバブル崩壊後のスキー客の減少で経営破綻し、2009年に日本スキー場が経営に乗り出した。15年にテラスを設けると夏場の観光客が急増。17年7月期の来場者数は前の期比92%増の6万人だったが、今期は今年5月までの10カ月間で8万7000人に達した。宇津井高時常務は「気軽に山へ来て、非日常を味わってもらう仕組みづくりが実現しつつある」と話す。

 今後は夏場の集客をさらに拡大する。長野県小谷村の栂池高原のスキー場に8月、地上10メートルの綱の上を自転車で渡るといったフランス発祥の遊具を複数導入。今秋には同県白馬村の岩岳スキー場の山頂に、北アルプスの山々を望むテラスを設ける。投資額は推定で数千万~1億円程度で同社の収益規模と比べるとかなりの投資額だ。

記事・画像:2018年6月14日 日本経済新聞

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