離島留学 島も子も元気

豊かな自然に囲まれた離島の学校に、島外の子供が入学する「離島留学」が広がっている。島の人口が減少するなか、児童生徒数を確保したい学校側と、都会ではできない体験を子供に積ませたい保護者側のニーズが一致。国も離島活性化のための補助金を拡充し離島の取り組みを後押しする。

三重県鳥羽市から約800メートル、鳥羽駅近くの港から定期船で約20分の答志島。答志小は2018年度から離島留学制度を始めた。背景には答志島の人口減少と少子化がある。

離島留学制度を利用して児童生徒数増を図る学校が増えている。国土交通省離島振興課によると、島外の留学生を受け入れる小中学校は、15年は9市町村だったが、18年には18市町村と3年間で倍増した。

国交省は予算面で離島留学を支援する。16年度から「離島活性化交付金」を拡充して年間15.5億円を計上。同省担当者は「学校が閉校されると離島の人口減少に拍車が掛かる。離島留学制度を利用する学校が増えれば島の活性化につながる」と効果を期待する。

高校でも同様の制度を導入する例が増えている。伊豆諸島神津島の都立神津高は16年度から留学生の受け入れを開始。3年間で計8人が制度を利用。現在寮を整備中で、来年度からは15人の受け入れ体制が整う。以前は島内で中学校を卒業した後、約半数が島外の高校に進学したが、留学制度を始めてから島内の中学生の約7割が神津高に進学するという効果も。

保護者側にとっては、大自然のなか、のびのびと子供を育てられるメリットがある。少人数であることを生かし、「きめ細かい教育を受けられる」と期待の声も強いという。ただ、生活環境が都会とは全く異なる島の生活は、事前の情報収集が欠かせない。過去には同県へ留学したものの、島の生活になじめず退学した例もあったという。

記事・画像:2018年6月26日 日本経済新聞

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