「夜型観光、先進地に学べ」政投銀が独自調査

日本政策投資銀行四国支店はインバウンド(訪日外国人)がもたらす地域経済効果について、夜型観光を中心とする各地の事例を調べ、香川県をモデルに考察した。夜型観光は宿泊者数や消費額の上昇にもつながる。インバウンドは全国的に伸びている一方、地方は受け入れ体制の整備が遅れ気味だ。地域経済への波及効果を高める工夫が求められている。

 香川県は外国人延べ宿泊者の伸び率が2016年に全国トップ。観光消費額単価も四国4県では高いが、トップの北海道の3分の1にとどまる。3人に1人は日帰り客で、誘客の強化とともに夜型観光などによる宿泊日数の拡大が課題だ。

 夜型観光を中心にした各地の事例を調査し、成功のポイントを探った。佐賀県では2年前から映像を投映する九州初の夜景プロジェクションマッピングを県庁舎最上階で実施。アーティストを登用し、テーマを変えながら多様な楽しみ方を提案する。温泉地の武雄市では、客の少ない夏に観光資源の庭園でのデジタルアート展などで集客を拡大している。

 岡山県では県所管の後楽園と市の岡山城を一体的に運用し、ライトアップの魅力を高め、期間中に無料シャトルバスを運行する。広島市などの夜神楽は外国人向けに通訳ガイドや演目後の解説などを用意。長崎市の街歩き「長崎さるく」はコース設定など地域と連携し、博覧会はグッドデザイン賞を受賞した。

 これらに共通するのは(1)行政のリーダーシップ(2)地域住民や地元企業の協力(3)外部プロフェッショナルの活用(4)多様な楽しみ方提案(5)クオリティーへの第三者の評価、と政投銀四国支店は分析する。

 香川県にあてはめると、例えば栗林公園(高松市)はミシュランガイドや旅行口コミサイトで高評価を得ており、ボランティアの拡充など地域を巻き込み、行政主導での夜間ライトアップ拡大といった取り組みが期待できるとした。さらに夜間観光に欠かせない飲食店では、歓迎のぼりの設置や安心して楽しめる店舗の認証制度なども想定される。同支店は「今ある観光資源を最大限生かし、ハード・ソフト両面ともできることから始めることが重要だ」と結論づけている。

記事:2018年7月3日 日本経済新聞
画像:http://kirinzi.jp/

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